経済・調査統計

生産

【生産(鉱工業生産指数)】を更新しました。2022年8月の福岡県の鉱工業生産指数(季節調整値)は98.7となり前月と比べると、5.7%の上昇となりました。内訳として化学工業、汎用・生産用機械工業などは上昇し、ゴム製品工業、家具工業などは低下しました。2022年8月の九州の鉱工業生産指数は前月比2.7%上昇の108.2となりました。

【生産(鉱工業生産指数)】を更新しました。2022年7月の福岡県の鉱工業生産指数(季節調整値)は93.4となり前月と比べると、8.8%の上昇となりました。内訳としてゴム製品工業、汎用・生産用機械工業などは低下し、輸送機械工業、電気機械工業などは上昇しました。2022年7月の九州の鉱工業生産指数は前月比3.2%上昇の106.5となりました。

研究所員が教える経済調査統計ここがPoint!

生産

《Point》 製造業の生産動向を示す「鉱工業指数」

製造業の生産動向を示す代表的な指標が「鉱工業指数」です。鉱工業指数は、「生産指数」「出荷指数」「在庫指数」「在庫率指数」の4種類があります。「生産指数」が上昇すれば、製造業の生産は好調であることを示します。製造業全体だけでなく、「食品」「輸送機械」といった業種別にも把握できますので、自社に関連する業種に絞って動向を確認することもできます。

鉱工業指数のうち「在庫指数」は、製造業が持っている在庫の量を指数化したもので、在庫指数が上昇すれば、在庫が多くなっていることを示します。さらに、「生産指数」と「在庫指数」を用いて、先々の製造業の生産を予測することもできます。

景気とは?

新聞や雑誌、テレビなどで“景気”という言葉に触れることが多くあります。“景気”という言葉には様々な意味が含まれており、国・地域のGDPの成長率や経済全般の動向を示すこともあれば、身の回りの商売のことや世間の雰囲気などを示すこともあります。一般的には、それらの多様な側面を総合した「経済活動の勢い」を示すと言って良いでしょう。

国・地域の経済活動全般の動きを示すGDPは、全国平均で約2~4カ月遅れ、地域平均で2年以上遅れて公表されます。その ため「今」の経済の動きは、経済の動きに敏感ないくつかの指標から判断しなければなりません。

DIとは?CIとは?
景気動向指数の推移

景気を全般的に把握できる最もメジャーな指標は「景気動向指数」です。景気動向指数は、生産(工場の製造の動き等)、消費(モノ、サービスの売れ行き等)、雇用(求人、失業率等)、投資(企業による設備投資や公共工事等)に関連する代表的な指標を組み合わせて、景気を「総合的に」みるものです。

ところで、経済・景気に関する新聞記事で「DI」「CI」といった言葉を目にしたことはないでしょうか。DIはDiffusion Index、CIはComposite Indexの略でいずれも様々な経済指標を合成したものなのですが、意味が異なります。

DIは、構成する指標が「3カ月前に比べ良くなったか否か」をカウントし集計したもので、景気の方向性や景気がどれくらいの分野に波及しているかを示すものです。例えば、10の指標のうち6指標が3か月前に比べ良くなっていれば、DIは60%となります。半数の50%を上回った場合は、景気は回復局面に入った、などと判断されます。

 一方、CIは、構成する指標の「変化率」を合成したものです。DIは「良くなったか否か」をカウントするため、1%良くなっても、20%良くなってもDIの変化は同じですが、CIは、その変化幅を指数に反映します。つまり、景気がどれくらいの勢いで変化しているか、といった「量感」を示すことができる指標なのです。ちなみに、日本政府の景気判断は、このCIをもとに行われています。上図は景気動向指数(全国)の推移をみたものです。例えば2008年のリーマンショックの際、指数が大きく下落していることがわかります。過去の落ち幅に比べ非常に大きいことから、リーマンショックは過去に類をみない景気後退だったことがわかります。

ポイントは「生産(投資)」「所得」「消費」
「生産(投資)」「所得」「消費」

景気は様々な角度から分析、把握されますが、なかでも「生産(投資)」「所得」「消費」の動きがポイントとなります。一般的に、(1)生産(生産するための投資)の増加、(2)個人、企業所得の増加、(3)消費の増加が同時に起こっているとき、「景気は良くなっている」と言われます。

この3つは、互いに密接な関係にあります。例えば、(1)の企業の生産(企業活動)が良くなれば、そこで雇われる人が増え、給料が上がりますので、(2)の個人、企業所得が良くなります。個人、企業所得が良くなれば、それだけモノをたくさん買うことができるようになり、(3)の消費が増加します。消費が増加すれば、商品がもっと必要になりますので、(1)の生産が増加する、という仕組みです。